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学位取得(論文博士)への遠くて近き道のり

(以前のHPに置いてあったものを転載したものです. 情報自体はかなり古く今では役に立たないと思いますが記録として残しておきます)

学位 (博士号) とは

最初に強調しておきたいのは,学位を持っているからといって優秀な研究者であるとは限らないし,持っていない人の中にも超一流の研究者はいくらでもいるということである. かつての指導教官から頂いた言葉をここに掲載しておこう. 「学位は、足の裏についたご飯粒のようなもので、取らないと気持ちが悪いが取っても何の役にも立たないというそうです」(取っても食えない)

ただ,実際には今や研究で職を見つけるための必要条件となっているのも世界的に共通の事実なので,取っておくにこしたことはないわけである. というわけで,このページがこれから学位を取られる方の少しでも参考になれば幸いである. ここではいわゆる「論文博士」という形の博士号を想定している. つまり,大学の博士課程を経ないで,研究論文を大学に提出することにより学位をもらうシステムである. 論文博士を取り巻く環境は段々厳しくなっておりそのうち廃止されてしまうのではないかと言われている. そのためにも早めに取っておいた方がよい. (ちなみに,リンク集のページを見るとわかるようにほとんどが課程博士のページであり,論文博士に関する情報は web ではなかなか少ないようだ)

少なくとも 10 年以上前までは(私の属していた学科では)博士課程は数年に一度非常に優秀な学生だけが合格できる難関であった. さらに,一度入ってもいろいろな事情で中退し,助手になったりして結局論文博士で取っていた人が多かったように思う. 研究所に入った時も新入職員の半数ぐらいは修士卒であった(今ではほぼ全員が博士号を持って入って来る).

論文博士が厳しくなった背景にはこのように課程博士の増加と,あとは社会人博士課程のような制度が出来て来たために,より厳しくなってきたらしい (したがってこれからは社会人博士課程も選択肢の一つに入れておいた方がよい). 課程博士に比べて不利な点は,担当の先生にとって論文博士の論文を見ることがボランティアであるという点である (少なくとも正規の手続きの上にのるまでは). これについては次の節でも触れたいと思う.

いずれにせよ,10年前までに修士を出た研究者で学位を持っていない人達はたくさんいて,この厳しい状況に直面している. それにも関わらず研究所は何のサポートもしてくれないし,情報もほとんど入って来ないため結局修士を出てから学位を取るまでに 10 年以上もの月日がかかってしまった. それでは項をあらためて具体的な話に入って行こう.